Googleの案内で会社から歩いて帰ってみた

今週のお題ゴールデンウィーク

 しかし休日になんでわざわざ会社へ行くのか、って話ですが(笑)。しかも自宅へ帰るために行く、という馬鹿さ加減。

 先日の記事「2012年新春ウォーキング - GEN’s BlogHouse」にも書きましたが、私は毎年正月二日にウォーキングを行っています。今年は「非常時の職場からの徒歩帰宅」という事を考え、職場の最寄り駅から、災害時に帰宅困難者向けに情報が提供される場所を目指して歩きました。
 このウォーキングを終えて帰宅して、ブログの記事を書いていた時にふと思いました。「徒歩帰宅者支援ルートを完全無視し、被災者の支援拠点にも立ち寄らず、最短の経路で歩いたらどうだろうか」と。早速Googleマップで経路検索。すると、なかなか興味深いルートを提示してきました。
 10年ほど前、徒歩帰宅者支援ルートに従って歩いた時には、職場あたりから自宅まで、6時間ほどかかりました。Googleがはじき出した経路では所要時間4時間弱。だいぶ違うなあ。「旧街道に沿って歩くのが最短になるのでは?」と予想していましたが、それとも全く違う経路でした。

 愛知県や名古屋市が定めた徒歩帰宅者支援ルートを歩くと遠回りになってしまうだろうなあ、とは以前から思っていました。もちろん、非常時だからこそ、遠回りでも安全な経路をとるべきで、自治体の定めたルートが不合理だとは考えていません。今回このような事をやってみたのは、単なる好奇心からです(笑)。

 てなわけで、昨日、Googleの案内で歩いてきましたよ、職場から家まで。まあ、本当に職場まで行くのはちと興ざめなので、職場最寄り駅の一つ手前で電車を降りて、そこから歩き始めました(笑)。しかし距離的にはこれで職場まで行ってから歩き出したのと同じくらいになったはずです。
 今日歩いたルートの後半、名古屋市内を抜けてから自宅までの部分は車で何度か通った事もあるのですが、前半部分は初めて歩く道ばかりでした。通った事のある道でも10数年前に一度だけ歩いた事がある、とか、そんな感じ。今の会社にお世話になる前のフリーター時代、外を回る仕事で歩いた場所もあったかな。
 ガーデン埠頭あたりから北西方向へ、途中、名四・東海通・国一を横切りながら進むルートなので、地図を見ていたかぎりでは「割とガチャガチャした所ばかり歩くんだろうな」と思っていたのですが、実際歩いてみると、庄内川を渡る手前まではのんびりした住宅街を縫うように進む経路でした。もう少し早い時期だったら、荒子川沿いの桜並木など綺麗だっただろうなあ。しかし災害時には河口近くは危険なので、やはりこのルートは避難経路としては使えなさそう(^^;;。お散歩ルートです。

 明徳橋・日の出橋で庄内川と新川を次々と渡ると、Googleはいきなり危なっかしいルートを提示してきます。大丈夫か、と不安ですが、マップを拡大すると表示される小さなお店の名前などから見てもその道でしかありませんのでそのまま進みます。
 昭和(もしくはそれ以前)の雰囲気漂う、微妙に屈曲しながら長く続く細い道。なかなか楽しい散歩道です。昔は漁師町だったのでしょうか、今も「船頭場」という町名が残っています。「徒歩なら旧街道沿いが最短」という予想も方向性としては間違ってなかったのかも。

 次に雰囲気が変わるポイントが国一と302号の交差点です。この付近が昔「外回りの仕事で歩いた場所」なんだな。良くも悪くも昔と変わってない。そう感じました。…まだ、『農村』を守っているのかなあ。
 しかしこの少し先でやられましたよ。検索結果に正直に従って歩いたら、田んぼのあぜ道に入っちゃった(><)!これは非常にマズいので、あわてて方向転換です。しかしそれでもちょっと私有地を通っちゃったような気がします…すみません!m(_ _)m

 舗装された道を探して戻り、近鉄線を横切り戸田川を渡ると戸田の町。さらに進めば名古屋市を出て蟹江町に入ります。先程も書きましたが、ここから先は割とよく知った道です。15時ちょうどに自宅到着。10時40分に歩き始めたので、途中の休憩時間を除いた正味の歩行時間は4時間ほどではないでしょうか。Googleの計算どおりだなあ。
 4時間のうち最後の1時間ほどは脚がパンパンに張ってしまってかなりヤバかったのですが、それでもなんとか歩き通せました。1日経った現在、まだちょっと疲れは残っていますが、筋肉痛や関節痛は出ていません…今のところは(笑)。まあでもたぶん大丈夫でしょう。
 iPhoneのバッテリーもよくもったなあ。SafariGoogleマップを見ながら、随時TwitterInstagramに投稿したり、4時間ずーっとこき使ってましたが、自宅に到着した時にはまだ残量が10%ほどあったと思います。一応補助電源も持っていったのですが、ぎりぎりで使わずに済みました。

 さて、とても便利である事もわかったGoogleマップですが、実際に現地を歩いてみて気付いた問題点もいくつかありました。

 まず、信号機がかなり間引いて記載されているのは困ります。例えば「2つ目の信号を左折して…」などという感じで道順を覚えたり、他の人に伝えたりというのは日常よくする事で、信号機は目印としても重要だと思うのですがね。たまたま、いま手元に2005年版のアルプス社のアトラスRDXがあったので見比べてみましたが、古い地図にすらちゃんと記載されている信号がGoogleマップにはない、という事がよくあります。つまりこれ、データの更新が遅れているとかいう理由ではないですよね。省略せず記載して欲しいものです。

 そしてこれはBeta版として注意書きがされている事なので今後の改良を待つところですが、ところどころ歩行に適さない箇所を提示してこられるのも、やはり困りますね。あぜ道とか(笑)。
 以前別件で経路検索をしたところ、自動車専用道に進入する箇所が出てきた事があります。今回のルートでも、歩けなくはないが自動車の通行量が多く危ないかな、と思い、歩行者・自転車通路を探して少し回り道をした所がありました。これは歩道橋や歩行者用通路などの設備も経路探索の対象に組み入れることで解決できるのでは?と思うのですが…、難しいんですかね。技術的な難しさというより、手間がかかるため、なのかな?
 逆に、あぜ道は検索対象から外すべきでしょう。ていうか、そもそも地図上に表示する必要があるとは私には思えません。ほとんどの場合、あぜ道は農地の一部であって公道ではないのでは?
 とは言え、実際に現地を訪れて見てみると、どこまでが公道でどこからが農地なのか、ということが一目でわからない場所も少なくない、のは事実。うちの近くなんか、東西に通る幅1.5mほどの短い道の、南半分が公道で北半分が私有地、という場所があります(あ、南北が逆だったかもしれない)。

 ここで気になるのは、「地図を作製するにあたって、現地調査をきちんとやったのか?」という事です。やってるはずなのです。しらみつぶしに歩いて調べてるはずなのです。

 Googleマップの日本のエリアの地図データは株式会社ゼンリンから提供されています。実は私、ゼンリンで調査員のバイトをやってた事があるのです。上に書いた、「フリーター時代の外を回る仕事」てのがそれです。
 実際に現地を訪れて、見て、それでもわからなければ土地の所有者の方などに直接おたずねして、調査をするのです。その場所が公道なのかそうでないのか、そのようにして調査をしてたらわかるはずなのですが。
 しかし逆に言えば、機械ではなく、人がやっている事ですので。ごくわずかに、見落としなどのミスもあったかもしれません。そして昨日、たまたま私が調査不十分な場所を通ることになっただけで、他にはほとんどミスはない、のかもしれません。

 Googleマップもまだまだ発展途上のサービスのようですが、技術的に未熟というよりは、アナログというか体力勝負的な部分でのより一層の積み重ねが必要、という状況にあるのかな、という感想を持ちました。